アトピーと作品
画家は良い絵を描き
後世に作品を残すことを喜びます
また
陶芸家は満足のいく作品を作るため
気にいらない物は思い切って壊し
また最初から作ります
子どもの時
子どもの頃
私は高校の時まで
農作業を手伝いながら生活し
母方のおじいちゃんおばあちゃんと一緒に暮らしました
農業は祖母だけがしましたが
私も手伝いました
貧しい暮らしで田んぼもあまり広くはなく
田んぼに水を引き苗を植え
管理をしながら
ときどき雑草を抜き
そうして徐々に育っていく様子を見ながら
祖母はうれしそうに目を細めるのでした
そんな祖母を見るたび
自分が早く大人になって
お金をたくさん稼いだら
祖母に田んぼをたくさん買ってあげようと思いました
いつの間にか秋になり
稲が黄色く色づくその風景は
言葉で言い表せない感動があります
黄色くなった稲が頭を垂れたら
もう田んぼには水を引きません
そうして田が乾いて
田んぼの中を歩きやすくなります
稲の間を歩きながら
あちこちにいるイナゴを捕まえ
キリギリスも捕まえ
大切な稲を食べにくる
スズメを追い払います。
私の祖母の作品は
黄色く色づいた稲です
アトピーを治療する
私の作品は「人」
この世のすべてのものは
良い物と悪い物が触れ合ったら
両方悪い物になります
きれいな水と汚い水を混ぜたら
汚い水がきれいになるのではなく
きれいな水が汚くなります
アトピーの治療も
いつの間にか入りこんだ
アトピーの毒素をなくそうと
人が手をつけると
薬を塗れば塗るほど
外見的には
一時安定したように見えますが
かえってその毒素はたまっていきます
しかし
そのような方法ではなく
考え方を変えて
中から健康な皮膚が作られるようにしたら
自分の力でその毒を探し当て押し出すことができるなら
生まれた時のままの
透き通った真っ白い肌になるのです
私が作品を作るのではなく
本来の状態を取り戻すこと
それがアトピーの作品であり私の作品です
人間を作品だと言ったらすこし変ですが
病気によって
おかしな姿に変化してしまった子たちが
きれいな元の状態に戻った時
それはとても感動で美しいのです
もちろん大人の場合も同じです
アトピーはもちろん
傷跡までなくなりきれいな肌になったら
私は神秘的な作品が出来上がったことに
とても大きな喜びを感じるのです
そっと入ってきて見ている子ども
そして
幸せそうにしているお母さん
このすべてが
アトピーが私にくださった
幸せの作品
この作品は
値がつけられません
壁にかけて鑑賞するのではありませんが
いのちの作品となって私の心の中に積み重なっていく
幸せの作品です
0 件のコメント:
コメントを投稿