アトピー治療を恐れる人
アトピー治療のために来院される方とまずいろいろお話をしますが、その中でも治療はしたいがそれが怖いという人たちがいます。
ある若い女性の話ですが、アトピーがひどく片目は失明し、もう片方の目はブドウ膜炎で視力が弱くなりよく見えない状態でした。合併症が生じて眉毛もほとんどなく、皮膚の色も変色し、髪の毛もたくさん抜けて、まだ若いのに中年の女性のように見えました。
長いことアトピーで苦労してきたために、今では顔全体にアトピーがあり視力まで失いほとんど見えない状態でした。アトピー治療の相談をしながらも不安を多く抱えていることがわかりました。アトピー治療はしたいのですが、ステロイドを使用しないと、今は少し見えている片目まで失明しまうかもしれないという医者の言葉に、ステロイドの中止は不可能だと考えていました。
アトピーによる合併症の中でも視力を失ってしまうことが一番大きな問題ではないかと思います。この方はアトピーのためにステロイドを使い始め、アトピーがひどくなり徐々に強いステロイドを使うことになり、徐々に視力は弱って片目は失明し、もう片方の目もよく見えない状態ですが、ステロイドをやめたらこの目もだめになるのではないかと心配していました。結局残念ながらステロイドがやめられないという本人の考えが強く、治療を始めることができずにそのまま帰られました。
またある若い青年は長い間アトピーで苦労し、体は痩せ細っていました。治療のための相談をしながら青年はこう言いました。「先生、今こんなに炎症がひどいのに抗生物質を飲まなかったら炎症がもっとひどくなるんじゃないでしょうか。炎症があるときは抗生物質が必要なのではないでしょうか?」
私はこういいました。「今まで抗生物質による治療を長い間続けて来たのではないですか?それでもこのような炎症があるのなら、今後また抗生物質を使用したところで、この炎症はなくならないのではないでしょうか?」結局、話は進展せず、この患者さんも不安を抱えたまま通っていた病院に入院するために帰って行きました。
アトピーを治療するには多くの障害物があります。ですから正確に知るべきです。このアトピーがどんな病気であり、本当に保湿を続けて管理をすれば結果的に完治するのか、治療法はどのようなものがあるのか、正確に知れば判断することができ、病気に負けないで、病気に勝ってこのアトピーを体から追い出してやるという力が生じます。
「アトピーから何としても治りたい」という思いと
「アトピーを何とか治してあげたい」という思いが出会えばアトピーから完全に開放されます。
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